2015年を迎えて

 医療分野では「2025年問題」が以前から言われております。これは、団塊の世代 (1947-49年生まれ) が2025年には75歳以上の後期高齢者となり、医療費、介護費用が増大することが予測される問題を言います。厚生労働省の推計によると医療給付費は2013年度の39.3兆円から2025年には1.34倍の53兆円に、介護給付費は2013年度の8.9兆円から2025年度には2.24倍の19・8兆円にまで増加する見込みです。このような医療介護費増加に対して、国民負担(税・保険料)の増加、給付の引き下げ(自己負担割合の引き上げ、保険対象範囲の縮小)などが議論されていることは周知のとおりです。しかし私ども予防医療にかかわる者の立場からは、生活習慣病の予防やがんの早期発見・治療を通じた医療費抑制こそが重要であると改めて思います。

 数年前からメタボリックシンドロームが注目されています。内臓脂肪型肥満があり、高血糖、高血圧、脂質異常のうちいずれか2つ以上を併せ持った状態をメタボリックシンドロームといい、これを放置することで、合併症として心血管、脳血管障害が発症するわけです。したがってメタボリックシンドロームを予防することで医療費が抑制できるという結論が導かれ、その第一歩として2008年から特定健診、そして対象者に対する特定保健指導がはじめられました。しかしながら、まだまだ特定健診、特定保健指導の受診率は目標値の70%に到達していないのが現状です。

 一方で2人に1人は一生のうちにがんと診断される時代になりました。がんの原因の半分以上が喫煙や食事といった生活習慣によるもので、男性のがんの約6割、女性のがんの約3割が予防できることが明らかになってきました。一人ひとりが生活習慣の改善などによりがんを予防することが重要です。またがんにかかったとしても、早期に発見されれば進行がんに比べて生存率が高くなるだけでなく医療費も抑制できます。早期がんの発見には定期的にがん検診を受診することが有効であると証明されています。しかしながら、日本のがん検診受診率は40%前後であり、他のOECD主要加盟国の50〜80%台と比べても低い水準です。

 まさしく10年後の2025年問題を踏まえて、今年は医親会マリンクリニックにとっても、微力ながら医療の2025年問題を解決すべく本来の予防医療業務に邁進する年と考えています。受診者の皆様がマリンクリニックで健診を受けてよかった、来年もまた受けよう、お知り合いにも紹介しよう、と健康維持、促進の輪が広がることを願っております。