基準値と比べて大きく異なる検査値がある場合に、疑われる病気や症状を解説します。
但し、個人の生活習慣や病歴により、異常値があった場合でも必ずしもそれが疾患につながる訳ではありません。
気になる点は主治医、もしくはマリンクリニックの一般外来までご相談ください。

検査項目 基準値 疑われる病気
血圧 収縮期(最高)/拡張期(最低)が130/85mmHg未満 収縮期(最高)/拡張期(最低)が130/85mmHg未満を「正常血圧」、120/80mmHg未満を「至適血圧」としています。肥満や運動不足、ストレス、過飲が高血圧の原因になりやすく、放置すると動脈硬化が進行し、脳卒中や心筋梗塞、腎障害の原因になります。さらに糖尿病や脂質異常症など他の生活習慣病がある場合は厳格なコントロールが必要です。
眼圧 < 20 空気圧により眼球内圧を測定し、緑内障を早期に発見します。緑内障は高眼圧のために視神経の機能障害をきたす疾患で、放置すると失明することもあります。
眼底   網膜の異常を検索し、眼の疾患を早期に発見します。また、眼底血管の性状から糖尿病性の変化や全身の動脈硬化度を推察します。
Scheie Hは高血圧性の変化を、Scheie Sは動脈硬化性の変化を表します。
尿pH 弱酸性(pH6.0 位) 食生活により変動します。過度の肉食、過飲、カルシウム不足で酸度が高くなると尿路結石の原因となります。
尿蛋白 (−) 腎障害、腎炎などで陽性となりますが、発熱時や過激な運動で陽性になることもあります。
尿糖 (−) 糖尿病などにより血糖値が高値になると尿糖が陽性となります。陽性の場合は糖尿病を疑い、さらに詳しい検査を行います。
尿ピルビリン (−) ビリルビンは赤血球の分解産物の一種で、赤血球の分解が亢進した場合や肝疾患、肝臓から胆汁への排泄が阻害された場合に上昇します。
尿ウロビリノーゲン (+−) 健常人でわずかに検出され、正常は「±」です。
胆道系の障害で胆汁が排出されない場合は陰性、肝障害で血中ビリルビン値が上昇すると強陽性となります。
尿潜血 (−) 腎臓、尿管、膀胱、尿道、前立腺などの疾患で陽性となります。そのほか遊走腎、激しい運動の後に陽性となることもあります。
赤血球等 赤血球
男 430〜570
女 380〜500
赤血球中のヘモグロビンは酸素を運搬する重要な役割を担っています。ヘマトクリットは血液中の赤血球濃度を表します。
いずれも貧血を調べる検査で、鉄分の摂取不足や出血、悪性腫瘍の存在で減少することがあります。
ヘモグロビン
男 13.5〜17.5
女 11.5〜15.0
ヘマトクリット
男 39.7〜52.4
女 34.8〜45.0
血小板 14.0〜34.0 血小板は血管の損傷部位に付着し、凝集して止血する役割を持っています。減少すると出血傾向、過剰になると血栓形成の原因となります。血液疾患や慢性肝炎、肝硬変の場合に低下することがあります。
NEUT
(好中球)
40.0〜75.0 感染症や急性の炎症で増加し、以下二種類があります。
・Stab(桿状核球):幼若な好中球で炎症が強いときに出現します。
・Seg(分葉核球):成熟した好中球です。
Eosino
(好酸球)
0.0〜8.0 アレルギー疾患や寄生虫症などで増加します。
Baso
(好塩基球)
0.0〜2.0 増加はまれですが、骨髄性白血病などで増加します。
Mono(単球) 2.0〜10.0 結核などで増加します。
Lymphocyte
(リンパ球)
18.0〜49.0 ウィルス感染症などで増加します。
AST(GOT) 10〜40 いずれも蛋白質の元となるアミノ酸を合成する酵素です。主に肝臓に多く含まれているため、肝機能検査として重要な項目であり、ウィルス性肝炎や、アルコール性肝障害、脂肪肝などで上昇します。また、AST(GOT)は心臓や骨格筋にも存在するため、心筋梗塞や筋肉疾患でも上昇します。
ALT(GPT) 5〜45
γ-GTP 男 80以下
女 30以下
胆道系の酵素で、肝障害以外に胆石や胆道閉塞性疾患、膵疾患などで上昇します。過飲によるγ-GT(γ-GTP)単独の上昇がある場合は飲酒を控えてください。ALPは骨にも存在するため、骨疾患や悪性腫瘍、妊娠末期で上昇することがあります。
LAP 男 45〜81
女 37〜61
ALP 100〜325
HBs抗原
(B型肝炎S抗原)
< 8 陽性で肝機能が正常の場合、生来のB型肝炎ウィルス保持者で無症状の状態と考えられます。将来B型肝炎を発症する可能性があり、年に1回は肝機能の経過観察が必要です。
HBs抗体
(B型肝炎S抗体)
< 8 陰性でHBs抗体が陽性の場合、B型肝炎に罹患後、治癒したことを示しており、臨床的に問題ありません。
HCV抗体定性 (−) 陽性の場合、C型肝炎ウィルスに感染している可能性があります。現在無症状でも将来活動性慢性肝炎や肝硬変に進行することがありますので、専門医にご相談ください。
クレアチニン 男 0.61〜1.04
女 0.47〜0.79
不要になった蛋白の最終産物で、腎臓から排出されます。腎機能障害時に上昇します。
電解質
(カルシウム
ナトリウム
無機リン)
カルシウム:
8.4〜10.4
無機リン:2.5〜4.5
血中に含まれる電解質で腎臓により濃度が一定に維持されています。脱水、下痢、腎機能障害時や利尿剤の服用などで異常値になることがあります。
血糖 空腹時血糖
70〜109
血液内のグルコース(ブドウ糖)濃度であり、体のエネルギー源として大切な役割をしています。主にインスリンというホルモンにより、血糖値は一定の範囲内にコントロールされています。110mg/dl以上では糖尿病の可能性があり、糖負荷試験による精密検査をする必要があります。
HbA1c 4.6〜6.2 ブドウ糖と結合した赤血球ヘモグロビンの割合です。過去1〜2ヵ月間の平均的血糖値を反映するので、糖尿病患者の血糖値コントロールの評価に用います。
また、6.5%以上であれば糖尿病と診断します。
総コレステロール 120〜219 血中に含まれる脂質で、HDLコレステロール(善玉)やLDLコレステロール(悪玉)などの総和を表しています。ホルモンや細胞膜を作るうえで大切なものですが、増えすぎると動脈硬化を進展させる原因となります。
中性脂肪 30〜149 体内で最も多い脂肪で、糖質がエネルギーとして脂肪に変化したものです。過食過飲や運動不足で上昇し、高い状態が続くと皮下脂肪や内臓脂肪になって体重が増加したり、動脈硬化を進展させたりして、脳梗塞や心筋梗塞の原因になります。
HDLコレステロール 男 40〜85
女 40〜95
善玉コレステロールといわれるもので血管にたまったコレステロールを肝臓に運び、動脈硬化を予防する働きがあります。運動することで増加し、喫煙で低下します。
LDLコレステロール 65〜139 動脈硬化を進行させる悪玉で脳梗塞や心筋梗塞の原因となります。140mg/dl未満が望ましい値ですが、高血圧や糖尿病などの生活習慣病や喫煙歴のある方は120mg/dl未満に、狭心症や心筋梗塞の既往のある方は100mg/dl未満にコントロールしてください。
尿酸 男 3.8〜7.0
女 2.5〜7.0
蛋白質の一種であるプリン体が代謝される際に生じるものが尿酸で、飲酒や肉食、腎機能障害時に上昇します。高い状態が続くと、結晶として関節に蓄積して痛風発作と呼ばれる関節痛を起こします。また腎結石の原因になることがあります。
総蛋白 6.7〜8.3 血液中に含まれる種々の蛋白質の総称で、肝障害や悪性腫瘍がある場合に低下します。
A/G比 1.1〜2.0 体の構成要素の原料蛋白であるアルブミンと細菌や異物を排除する抗体蛋白であるグロブリンの比を表します。肝障害、炎症反応や悪性腫瘍が存在するときに低下します。
PSA 4,000以下 前立腺癌で上昇します。前立腺肥大でも軽度上昇します。
便潜血 (−) 大腸、直腸、肛門などの消化管からの出血があると陽性になります。大腸ポリープ、大腸癌のほか、痔からの出血や裂肛でも反応しますが、陽性者の3%に大腸癌が存在するといわれています。陽性反応もしくは自覚症状のある場合は精密検査をお勧めします。